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格言集
提供 東洋経済新報社

【女房を質に入れても株を買え】
昔の人は、ずいぶんと激しいことを言っていたものです。「女房は…」ではなく、「女房を…」といっているところが大事なところです。「女房は」と表現したのでは、株の売買をするときはいつも女房を質に入れている印象ですが、「女房を」と表現していることで、大切な奥さんを担保に差し出してお金を借りてでも株を買う絶好の時である、という昔の相場師の強い気持ちが伝わります。実際に奥さんを質に入れるということではなく、数年に一度というような買い場は必ずあるので、その時は中途半端な気持ちではなく思い切って買いなさいという教えです。

【株は経済の先行きを映す鏡】
人は、鏡に映る自分の顔色や表情、姿などで健康かどうかを判断することが多いものです。顔色がいいねと言われると嬉しく、反対に顔色が悪いといわれるとドキッとします。これと同じように、経済・景気を人の顔色や姿に、株価と株式マーケットを鏡に見立てて、経済・景気の健康状態を論じる時に使います。例えば、株価の低落傾向や株式マーケットで出来高が少なく沈滞している時は、経済の先行きがおもわしくないことを表しているので、政策者は経済対策が必要ということです。90年代半ばの証券不祥事の続いた時は、鏡が曇って経済の姿を正しく映していないとの批判が高まりましたが、証券界はエリを正し、鏡を磨きましたので、現在では鏡に映っている経済は姿そのままといえるでしょう。【半値戻しは全値戻しにつながる】
大きく下げた相場が戻りに転じた時に先行きを占う相場判断の見方・教えのひとつです。下げ幅に対し、半分程度戻る場合を「半値戻し」と呼び、材料がなくて単純に戻る自立反発(下げ幅の3分の1程度の戻り)と区別して使います。つまり、半分も戻ることは、材料等が前向きに評価されているためであり、【強くなければ半値戻しはしない】と言い換えることもできるでしょう。全般相場が明るくなれば、前の高値まで、つまり全値戻しが期待できるといわけです。通常は週足か日足チャートで使う場合がほとんどです。筆者が開発した「強弱ライン」チャートもこの考えに近いものです。

【半値八掛け二割引きで底が入る】
記録的な大相場を出した銘柄が下げに転じた時の下値のメドとして目安にする教えです。仮に、5000円で天井をつけた銘柄が下げに転じ4000円を割り、さらに3000円を割って下値のメドがつけ難くなった時に、この計算式で1600円程度を目安にしておけばほぼ間違いないということです。大体、高値から3分の1ということになります。大阪道修町の薬の街では薬九層倍といわれ、薬は原価の9倍くらいで売られ、原価はただ同然だったことから、薬を値切って買う時に使われたことから引用されたようです。もっとも、経営不安を内包しているような下げのケースでは、会社が消えてなくなる恐れがありますから、こうした格言は使えませんので安易な買いは禁物です。

【株買いの極まりは戦争かインフレである】
物騒な言葉ですが、資本主義の一面を表しているのではないでしょうか。資本主義の主体は企業の活動です。景気がよくなってくると、企業は競って生産を増やし、不景気になると生産を抑えて貯まった在庫の整理を進めます。在庫整理で済めばいいのですが、道路、橋などの社会資本が充実し、家庭にも耐久消費財が行き渡ると、数量の増加はなかなか期待できなくなります。企業の売上高は数量と単価を掛け合わせたものですから、数量増がだめなら戦争で破壊して新規需要を作り出そう、あるいはインフレにして製品価格の上昇によって売上を増やそうというのです。豊かで物が充足した先進国では案外、政策の一つとして密かに考えられているのかもしれません。

【鬼より怖い一文新値】
一文(いちもん)は、穴のあいた一文銭といわれる最小単位の貨幣で、今でいえば一円です。新値という場合、新高値と新安値がありますが、どちらかといえば高値更新で使うことが多い。徐々に人気を高めてきた銘柄が、ついに以前の高値を抜いたものの大きく抜くことができず、わずか一円だけ更新して、それ以上は上に行かなくなった相場は鬼よりも怖い、強烈な株価の天井になるという教えです。現在でも「2番天井」といって、天井形成パターンの中でも嫌がられています。

【商いは買い手がいるうちにやれ】
商いは陽(ひ)の暮れるまでにやれ、ともいわれます。もう少し待てば、もっと高く売れるだろうと欲を出しすぎると、折角の売買のチャンスを逃してしまうという教えです。とくに、株価が人気化して出来高が増加してきますと、もっと上がるだろうと思うのは無理のないところですが、出来高が多いということは買い手がそれだけ多いことですから、それ以上さらに買い手が現れるどうかは非常に疑問です。株価が一旦、天井をつけますと出来高は急速に減少します。つまり買い手がいなくなってしまいますので、出来高の活発な間に売ることを心がけるのがいいといえるでしょう。

【顔色の悪い社長の株は買うな】
大事なお金を投じるのですから、しっかりした経営の会社を選ぶのは当然です。経営者も人の子ですから、意外と顔色や表情に経営の善し悪しが出るものです。「健全な精神は健全な肉体に宿る」ともいわれますが、「健全な経営は健康な経営者にに宿る」と言い換えることができるのではないでしょうか。ここでいう顔色とは、単純に色白が悪いということではありません。表情に精気とツヤがあって生き生きしていることが大切ということです。現在のような不況ではどこの経営者も必死ですから表情は引き締まっていますが、バブル経済の時のように好況にうかれて表情が緩んでいる時こそ要注意ですから、先行き景気がよくなった時に役立つ言葉です。最近は経営トップが直接投資家に語りかける場面も増えていますので「いい表情」かどうかを見るのも投資の際のポイントのひとつでしょう。

【冷水3斗で底が入る】
相場の悪い時というのは季節なら冬です。そこへさらに冷たい水を1斗樽で3杯もぶっかけるのですから震え上がるどころか凍え死んでしまうほどのことです。景気・企業業績が好調な中での悪材料なら一過性の下げで終わりますが、景気が悪いなかでの下げは、冷水を3斗もかけられるような厳しい下げがないと本当の底は入らないという教えです。

【株は世に連れ、世は株に連れ】
歌は世に連れ、世は歌に連れをもじったものです。歌も株も世相を反映するものですから株で成長株をみつけようと思ったら社会の動きを注意深くウオッチしていればヒントがあるという教えです。戦後の復興経済時代には地方から都会に出てきた多くの人が田舎を懐かしんで故郷歌謡がヒットし、一方でセメント、紡績産業などが繁栄しました。カー、クーラー、カラーテレビの3C関連銘柄も社会ニーズを反映した代表例です。最近は横文字の唄が増え、経済もグローバル化して国内だけみていればすむ時代ではなくなったようです。

二番底は黙って買え】
チャートで大変重要視される形から格言として使われています。下げてきた株価が最初の安値をつけることを一番底といいます。そのあと反発して再び下げ、最初の安値近辺まで下げる場合、そこが本当の安値になることが多いことから二番底といって買いの急所として教えています。日足、週足、月足のいずれにも使えますが、個人投資家には週足が適しているでしょう。また、一番底から二番底の間が、週足で13本程度が理想的で底入れ後の戻りも相当大きくなっているケースが目立ちます。

【電気が消えるとお化けが出る】
昭和40年代に盛んに使われた言葉です。日本の得意とする産業は電機。その電気株が不振となるとマーケットは電気が消えたように淋しくなってお化けが出るくらいだというわけです。ただ、ここでいうお化けとは、もうひとつの意味があって、化学株ポストの薬品株を指し、電気株がだめになると代わって薬品株が動くということです。電気は輸出株の代表、薬品は内需株の代表で、為替の動きなどを映して交互に動くのが普通です。電気が点いているのにお化けが出る時は天井が近いと読むこともできるでしょう。

【節分天井の彼岸底】
節分は立春で新しい年の始まり、お彼岸は春分の日で昼と夜の長さが同じで、ともに昔から季節の上で重要視され、米相場などで格言として使われてきたようです。ただ、日経平均などでみますと、節分の2月がその年の高値になっているケースはほとんどありませんが、1月の新年相場で盛り上がった「買い気」が、節分あたりから衰えているケースは顕著です。一方、3月20日前後のお彼岸の時期に日経平均がその年を通じて、あるいは少なくとも前半の安値となっているケースは多くみられます。節分を境として出来高が細り、お彼岸が買い場になる、と判断すればかなり当たっている教えです。

【歌を忘れたカナリヤは裏のお山に捨てられ、本業を忘れた企業は投資家に捨てられる】
カナリヤは綺麗な声で歌うから存在感がありますが、それを忘れたら捨てられると童謡にまで歌われています。カナリヤにかぎらず花、鳥、そしてわれわれ人間にも企業にも天命ともいうべき自ら選びあるいは与えれた仕事があります。それを通して社会で生きさせてもらっているのだから、手抜きしないで一生懸命役立ちなさいという教えです。バブル経済での本業を忘れた安易さが今日の経済の低迷につながっているのではないでしょうか。また、今回の雪印食品の行いは社会における存在を自ら否定するもので残念なことです。投資家は本業をきっちりやっている企業に投資するのがいいという教えでもあります。

【分からぬときは休め】
買うべし、売るべし、休むべしという格言もあります。相場は買うだけではだめで、利食いや投げなどの売りも適切にできないと儲かりませんし、同時に休むことも大切であるという教えです。とくに、相場環境が不透明で分からない時は無理をしないで休みなさいと説いています。下手な考え休むに似たり、という言葉に近いものです。なかでも、相場の保合い局面は判断が難しいので、どちらかに方向感がはっきりするまで休むのがいいと教えています。

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